『ベタ基礎を採用した新築住宅におけるシロアリ対策』を解説していきます。
有名な害虫・シロアリは家の基礎や土台を食べ、その中身をスカスカにしてしまいます。
スカスカにされた家屋の耐久性や耐震性は著しく損なわれるので、日頃からシロアリ対策には気を使うべきなのですが・・・
新築住宅を注文する際、その基礎を『ベタ基礎』にすればシロアリ被害をかなり抑えることができる、と言われています。
ベタ基礎、と言うとちょっと聞き慣れない言葉なので、ここではその説明やシロアリに強い理由などを解説していきます。
Contents
そもそもシロアリってどういう害虫?
家のあらゆるところに現れて被害を及ぼす
そもそもシロアリってどういう害虫なのかしら?
ウチは古い木造の家だから気にはなってるんだけど
食べられたことで中身がスカスカになる、亀裂が生じる、等した木材は本来の耐久性を失い、たとえば耐震性を著しく損なうようなことが有り得ます
シロアリは主に木材を食べる害虫で、『シロアリが定着した家は3年で致命的なダメージを受ける』と言われています。
これはシロアリによって家の基礎が破壊されてしまうため、ですね。
シロアリによって基礎を破壊された家は震度5弱程度の地震でも倒壊する恐れが出てきます。
また『主に』と書いたように、シロアリが食べるのは木だけではありません。
種類にもよりますが、シロアリはゴムや紙や断熱材まで食べてしまうことがあります。
よって、シロアリの驚異は一般に知られている床下被害のみならず、壁やその中、畳、はては浴槽や玄関ドアなどにも及びます。
壁の中を荒らされればやはり耐震性などに問題が出ますし、その他の部分は見栄えを著しく損なうほか、実用にも問題が出ます(お風呂から水漏れをするとか)。
天井裏にまで!?
シロアリは原則的に湿気のある場所を好み、乾燥しがちな屋根裏などには生息しません。
しかし、たとえば雨漏れがある、水道管が劣化していて水漏れしているような場合には、この限りではありません。
屋根裏に住み着いたシロアリは梁や柱を破壊するので、やはり耐震性や耐久性に悪影響を与えます。
また、ある種のシロアリは自ら水分を運び、それによって乾燥した場所でも生息できます。
シロアリ=床下被害を連想しがちですが、シロアリはどんなところにも住み着く、ということを覚えておきましょう。
シロアリはどうやって家に入り込む?
シロアリは地中にコロニー(巣)を作り、そこから蟻道と呼ばれるトンネルを作って移動します。
蟻道は直接、家の土台や基礎に繋がることもあれば、排水管パイプを伝って壁や屋根裏に達することもあります。
【TIPS】羽アリと家具破損と糞~シロアリをどう発見するか~
シロアリはその性質上、あまり人目につきません。
それがどうして発見出来るのかと言えば、主に羽アリと家具の破損or糞の存在によります。
羽アリは文字通り羽のあるシロアリで、良く目にする『羽のある黒アリ』とは異なった姿をしています。
(シロアリと黒アリはぜんぜん違う生き物なのです。前者は生物学上、ゴキブリの親戚で、後者はハチの親戚です)
羽アリは6~7月に、新しいコロニーを作るために飛び立ちます。
シロアリはとても生命力が低く、それだけに繁殖力が高いですから、飛びだつ羽アリの量も膨大になります。
で、それが飛び立つために家の中を移動するので、目撃した家主は『アッ』と気がつくわけですね。
家具の破損は言わずもがな、『こんな傷なんてあったかな?』からシロアリに結びつくこともあれば、調べているうちにシロアリを発見することがあります。
糞はシロアリ被害を受けた家具などの傍に散乱していることが多く、単体では細かいものですが、コレもされる量が多いので目につきます。
ただし、羽アリにせよ糞にせよ、『それがシロアリに関連するものだ』と意識できなければ見過ごしてしまう可能性もあります(ただの羽アリが家に入り込んだものだ、とか思いこんでしまう危険があります)。
また長期間に渡って家を空けるとか、そういう場合には以上のような『シロアリの居るサイン』を見つけられないことがあります。
シロアリが居るかもしれない、と不安になったら、いちど専門家の点検を受けましょう。
ベタ基礎について
ベタ基礎ってなに?
『シロアリ対策に気を付けなさいよ』って言ったら、『ベタ基礎だから平気だよ』なんて言うのよね
ベタ基礎ってなんなのかしら。そんなに安全なの?
基礎、とは鉄筋コンクリート(鉄筋の入ったコンクリート)によって作られる『家の土台』のことです。
『土台』と書くと一面のコンクリートを想像しますが、実のところ、広く用いられている『布基礎』は数本の柱だけで家を支えています。
『立ち上がり』と呼ばれるこの柱と柱の間は、コンクリートで埋める場合もあれば、土が露出したままになっている場合もあります。
対する『ベタ基礎』においても、家を『立ち上がり』に乗せることは変わりませんが、『立ち上がり』同士の間にも鉄筋コンクリートを張り巡らせています。
ベタ基礎のメリット&なぜシロアリ予防になる?
『布基礎』はその性質上、家の重量を『点』で受けますから、どうしても耐震性が低くなります。
翻って『ベタ基礎』は『面』で受けることになりますから、耐震性がぐっと高くなるほか・・・
地面を余すところなく鉄筋コンクリートで覆いますから、地下からのシロアリ侵入を防ぐことができるようになるわけです。
布基礎でも床下をコンクリート舗装すれば・・・?
なら、布基礎でも変わりないんじゃないのかしら
だって、布基礎でも地面をコンクリート舗装できるわけでしょ?
確かに布基礎においても、地面をコンクリート舗装することはままあります。
ですがそのコンクリートは薄く、且つ鉄筋の入っていないものです。
薄いコンクリートは簡単に破損しますし、少しでも破損すれば、そこをシロアリが通ってしまいます。
【ただし】ベタ基礎でもシロアリ対策には気を使うべき
『ベタ基礎ならシロアリ対策には気を遣わなくてオッケー!』かと言うと、残念ながらそうではありません。
彼らの一部は窓やから飛来することがあるわけですし、家屋そのものに隙間があればそこから入って来ますし、鉄筋コンクリートも何時かは劣化します。
ベタ基礎は地下からの侵入を高確率で防ぐだけ、です。
定期的なシロアリの生息点検、対策は怠らないようにしましょう。
【ちなみに】気になるベタ基礎の予算
『ベタ基礎』はそれだけ余分に鉄筋コンクリートを使うことになりますから、新築に掛かる予算はそれだけ高くなります。
鉄筋コンクリートは1平米に対して2万円程度の値段で、ここに人件費が追加されます。
家の広さや契約している業者、メーカーによって大きな幅が出てくることになりますが、『ベタ基礎』を採用する場合の予算は60~100万円ほど多く見積もっておくべきでしょう。
【ベタ基礎でシロアリ対策】口コミや注意点
Aさん『ベタ基礎でも安心はしないで』
Bさん『シロアリ対策は早めに』
Cさん『新築はシロアリ対策オプションがあるところも』
Dさん『ベタ基礎は湿気がこもらないメリットも』
『シロアリ駆除』安心・安全NO.1の業者はどこ?
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【新築住宅にベタ基礎を採用してシロアリ予防】まとめ
今回は『ベタ基礎を採用した家屋におけるシロアリ対策』について見てきました。
ずばり纏めると、
- 基礎とは家を支えている土台
- 一般に用いられている『布基礎』は家を数本の柱だけで支えている
- 柱と柱の地面はそのまま露出しているか、薄いコンクリートに覆われる
- 『ベタ基礎』は家の下一面を鉄筋コンクリートで覆う
- そのため地下からのアリの侵入を防げる
- 『布基礎』で使われる薄いコンクリートではアリの侵入を防ぎきれないことがある
- ただし、『ベタ基礎』でも地上からのシロアリ侵入はアリ得る
- 鉄筋コンクリートも何時かは劣化する
- ので、『ベタ基礎』を採用している家でもシロアリ対策は必要
ということになります。
『まあ安心だろう』と油断しているとシロアリに寝首をかかれることがありますので、『ベタ基礎』の家屋でも1年に1度ぐらいはシロアリの生息点検を受けましょう。